「とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話」を読んでみて。

はてなブックマークから試し読みを見て、全編をKindleで読みました。

見事に試し読みに釣られたわけですが、いろいろ感じずにはいられませんでした。

『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』(佐倉色)試し読みページまとめ - Togetterまとめ

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業界の当たり前は一般人にはわからない。

駆け出し漫画家の佐倉色さんが、あり得ない編集者の対応に振り回されながら、最後まで自分の仕事をやり抜くのですが、本当にどうしようもない出版業界というか出版社の姿勢に呆れます。

 

ただこの佐倉さんは漫画家としては駆け出しでも、社畜、フリーター、企業家と社会の酸いも甘いも経験してきた方。

担当編集者がおかしいと思いつつも、大人の対応をし、心が折れながらも前に進んでいきます。
知ろうと思えばいろいろ調べられる時代ですが、それでも本当のことはやってみないとわからないんですよね。

そしてその本当のところってのが非常にわかりづらく、中の人も「こういうものだ」と理由や経緯を知らず、なんとなく通してしまって来ているのが問題だと思います。

 

私がサラリーマンだった時

現在は児童館職員になっていますが、サラリーマンだった時期があります。

流通大手企業の全国営業社員でした。

私が配属されたのは当時、業界シェアを争う引っ越し部門。

お客様のお宅にお邪魔して荷物量を見て金額を出す営業と、成約を受けた作業手配をしていました。

大卒新人で右も左もわからない中、ちょうど入社した時期に会社をあげて移転作業する大きな仕事があり、4月はその作業員として動き、5月になって本当の仕事をするようになったんですがタイミングが良くなかったんですね。

5月に部門のエースで大学の先輩でもあった方が異動になり、仕事の教育係が1月に異動してきたばかりでずっと内勤の方になったんです。

「俺も異動してきたばっかりでわからないんだよね」という先輩に連れられ、なんだかよくわからないままに独り立ちとなりました。

そんななんだかわらないままお客様に対応するのは本当にキツかったです。

まさに「こういうものだ」と理由や経緯を知らず、なんとなく通してしまって来ていたんです。

 

お客様からすれば私はれっきとした社員で、プロですから。

「文句を言ってくれるのが本当のお客様」みたいなこと言う方もおられますが、お客様だって言わないに越したことはないでしょう。

あの頃の自分にもう少し堪え性があったら別だったかもしれませんが、結局いろいろ擦り切れてカラダを壊して退職します。

 

本当に起こるコワイ話。

この本を読んで佐倉さんが担当編集者に対して頭のなかでグルグルさせていたことに、非常に共感しました。

その業界を知らないけど、世間を知っているから変に気を使ってし、自分が間違っているんじゃないかと思うこと。

短いサラリーマン生活でしたけど、そこから保育業界に入ってみると、かなり隔絶した社会なんだな、と感じることがありました。

「子どもが好き」なんだか「子どもが好きな自分が好き」なんだかわからない社会。

仕事にかける情熱が残業時間の多さや、準備の丁寧さ、子どもに言うことを聞かせるかで評価される業界です。

私自身はそういったものではなく、子どもの自立・自律を重んじ、最低限の準備しかしないので残業はなしないで時間内に帰るようにしてます。

言うことを聞かせるような強制はせず、聞かなきゃ困るのは自分だし、困った時にフォローするような子どもを育てておきます。

コワイ話ってのは幽霊とか超常現象ではなく、人間の尊厳が損なわれることでしょう。

気をつけていきたいところです。

 

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

 

 

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