『会津執権の栄誉』をコーエー史観で読んで。

どうも。『三國志』ファンの6割は『信長の野望』も好きだと思っているコトリです。
織豊時代とか安土桃山時代といったあたりはコーエーで学びました。

そんなコーエー史観を持った私が『会津執権の栄誉』を読んだ感想を述べてみたいと思います。

 

会津執権の栄誉

会津執権の栄誉

 
 作者について。

佐藤嚴太郎氏は福島出身で、これがのデビュー作です。

第157回直木賞の候補にも挙がりました。

舞台と登場人物。

 舞台は豊臣家の北条攻め前後の会津です。

米沢の伊達政宗が頭角を表すのに対し、家督争いで直系が絶え、他家から跡取りを迎える事になった蘆名家家臣筆頭、金上盛備が物語の中心人物になります。

伊達政宗が宮城に城を構える発端になったのが会津・蘆名攻め。

その最後の戦いになった摺上原の戦いがクライマックスです。

 

後日談として伊達政宗が遅参の末、秀吉の前に白装束で参陣する政宗は辛くも取り潰しは免れるも、会津ばかりでなく、父祖伝来の地を没収され、国替えになる件も描かれています。

時代的に北条攻めで天下の趨勢は豊臣家のものになった時。

奥州は北条攻めのあとに予定されていたとか、いないとかですが、その頃の奥州はようやく伊達家が隣の蘆名家を破ったくらいで、戦で他家と戦うといっても土地を奪うというようなことは多くありません。

政略結婚や後継者を他家からもらう事が多く、お家大事な土地柄でした。

素直な感想。

歴史小説は時代に軸を置くか、登場人物に軸を置くかで内容が変わってくると思います。

時代に軸を置いて、出来事をきちんと抑えておけば登場人物のキャラとしての動きは自由が効く、読んで面白い本。

『軍配者』シリーズや、『のぼうの城』が、私の中ではそのパターンです。

一方、この作品。

丁寧に金上盛備はじめ、蘆名家中を描いています。

また摺上原の戦いに至るまでの時の流れも追っています。

戦国末期、織田豊臣の天下統一に向かう流れと、伊達の勢いの中で滅んで行く様を感じました。

歴史考察がしっかりした本の印象を受けました。

コーエー史観でみて。

信長の野望をしたことがある人なら、登場人物にニヤリがたくさん。

何と言っても『会津執権』金上盛備が主役。

そして陸奥に蘆名四天ありと、大いに名を恐れられた富田隆実や松本“図書助”が登場。

去年は真田、今年は井伊で徳川四天王だから、来年あたりには蘆名四天が大いに話題になるんじゃないかと。

とにかく、どうしてもそれぞれの能力が浮かんでしまいました。

蘆名家は名将揃いだったかというと、主家が滅ぶ時のメンバーなのでお察しください。

伊達家も同じ。

会津を取ったところで天下の趨勢は変わりません。

最近の『信長の野望』は成長して能力が上がりますが、やっぱり奥州は遠い(泣)
政宗が出るまでの伊達家は内政寄りで南部家の方が強いし、割り切って南部家で始めても関東の佐竹家、越後の上杉家がどんどん北上してくるし。

それを倒しても北条家が小田原で頑張り、武田家を吸収した織田家が先にいるし。

そんな奥州の玄関口としてゲームでは真っ先に上杉家と戦う蘆名家を、メジャーにしてくれる作品です。