今回は怖い本の紹介です。
わざわざ子どもに絵本で怪談を読もうとする職員は少ないでしょう。
ですが子どもたちにとって、学校怪談など人気のあるジャンルです。
夏休み中に「百物語」の企画を行う館もあるほど。
女性より男性が読むと恐怖感もちがうんじゃないでしょうか。
「なおみ」
作 谷川俊太郎 写真 沢渡朔 福音館書店
絵本ではなく写真集ですね、これは。主人公の少女と、少女が生まれる前からいる日本人形の「なおみ」。谷川俊太郎の詩が静かに響きます。今の子は日本人形を見ることがないでしょう。子どもたちは怖いというか、その神秘性に惹かれるようです。
「いるの いないの」
作 京極夏彦 絵 町田尚子 編 東雅夫 岩崎書店
怪談絵本シリーズの一冊。妖怪研究家としても有名な京極夏彦さんが書いています。町田尚子さん絵も秀逸で、京極夏彦さんの文章と合わせて恐怖感が引き立ちます。怖いけど聞きたい。ただ怖がらせるだけの話より、絵本のほうが伝わるものがあると思います。
「ちょうつがい きいきい」
作 加門七海 絵 軽部武宏 編 東雅夫 岩崎書店
こちらも怪談絵本シリーズで、なんとなく身近にあるものが恐怖の対象になるのが特徴ですね。「いるの いないの」が物語的にジワジワ恐怖が来るのに対し、この本は軽部武宏さんの絵が怖いです。妹が映画「シックス・センス」のトム・ハンクスのようにいるのが最後まで気になります。
いかがでしたでしょうか?
私は「いるの いないの」を読んで子どもを泣かせてしまったことがあります。
基本的に子どもは自由に遊んでいるので、聞かなくてもいいんです。
でも気になってしょうがないんでしょうね。
気になる仕掛けを打つのも児童館職員の仕事の楽しみのひとつなんです。