絵本の紹介が続いてましたが、今回は話題を変えて「鬼ごっこ」について書いてみようと思います。
絵本の紹介はあと二回分くらいはあるので、いずれまた。
鬼ごっこの歴史
鬼ごっこは種類がものすごく多いんです。絵本作家・児童文学者として有名な加古里子さんが文献等の調査に基づいて執筆した『伝承遊び考3 鬼遊び考』(小峰書店、2008年)では、「鬼ごっこ」を含む「鬼遊び」には500種類の基本形があり、それぞれに4ないし5種類のバリエーションが想定されるため、最低でも2000種類の鬼遊びが存在するそうです。また、日本の歴史的には(一社)鬼ごっこ協会HPによると今から1300年前の平安時代まで遡ることができるそうです。
現場の鬼ごっこ
児童館で私が子どもに提供している鬼ごっこを大別してみました。
●変わり鬼
まず思いつくのはタッチされたら鬼が変わる「変わり鬼」でしょう。ふつう鬼ごっこといえば、これです。職員も混ざってやると、職員しか鬼に狙われない苦行と、周りが狙われないからつまらないということになります。色鬼、高鬼が含まれるでしょう。
●助け鬼
鬼に捕まった子を助ける鬼ごっこ。定番は氷鬼、ケードロ・ドロケーですね。最近だと捕まったらバナナになるバナナ鬼が人気。助けるためにはバナナの皮を剥かなくちゃいけません。ほかにはだるまさんがころんだや、缶蹴りも含まれるでしょう。
●グループになって行うもの
子とろ子とろや、手つなぎ鬼、囲い鬼があります。
線やエリアを決めてするもの
線の上しか動けない線鬼や、島を渡っていく島渡り鬼や、田んぼがあります。どんジャンケンもここですね。
●戦略性のあるもの
Sケンなどの陣取り鬼や、チームで行うしっぽ取りがあります。高度になると3チームに分かれてジャンケンのようにAはBを捕まえられるけど、Cには捕まえられしまう巴鬼があります。また最近だとスポーツ鬼ごっこが評判になっています。
だれでも楽しめる
大雑把に分けてみたので、コレはこっちでしょうというのもあると思います。で、こうやってみると足が遅くて、体力がなくても出来るものがあったんじゃないでしょうか?
気をつけていること
子ども時代の「楽しみ」の要因に「勝つ」ことは欠かせないでしょう。鬼ごっこの場合、単純に「鬼に捕まらない=鬼に勝つ」という一人の視点から、戦略性があるものになるとチームで勝つということに繋がっていきます。ここで私が気をけているのは「勝負は水物」として提供していることです。スペースは広いと総力に差が出るので、むしろ制限します。いつまでのダラダラとするのではなく、時間制で行っています。で、何度もしつこくやり続けること。やり続けていくとみんな工夫をし、ますます勝負の行方はわからなくなり、誰もがヒーローになるチャンスが生まれます。
最後に。
私は児童館職員なので鬼ごっこをする機会がありますが、鬼ごっこをの種類や魅力、効果を知っている大人が少なくなって来ていると感じます。鬼ごっこの歴史や文化を伝えていくためにも、これを読んで興味を持ってもらえたらうれしいですね。

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