世間では待機児童問題が叫ばれ、保育士の待遇改善案とか出ていますが、保育所を卒業した後、放課後の面倒を見る業界については、まだ改善策は出てませんよね。
小学生になれば家に一人でいられるようになるかといえば、ドラクエの呪文のようにレベルが上ったから出来るようになるワケではありません。
保育所を利用する家庭の多くは共働きなので、必然的に放課後児童クラブに入る子も多いです。
児童館も放課後来る小学生の面倒を見るという施設なんですが、そこで働く男性職員の嘆きが今日の記事です。
子は宝というけれど。
いろいろ児童館や放課後児童クラブのことや、遊びのことを書いてきた私ですが、思うことはある訳で。
保育士の離職率や平均給与については報道されているように、悲惨な状況です。
児童館職員も私の場合、指定管理者制度によって管理運営を任されている施設職員なので、今後公募によって運営団体が変わると無職になりかねません。
国は現在、保育士確保を進めるため待遇改善案を出したりしてますけど、あくまで保育所に勤務している人が対象であって、私のような保育施設に勤務している保育士は当てはまらないでしょう。
そして保育所の人手不足の原因が待機児童の数が多いからなんですが、放課後児童クラブは逆の現象が原因になってます。
子どもの居場所という児童福祉だったのに、保護者の就労支援に目的が変わっているんです。
概ね3年生までが預かり対象だったのが6年生まで引き上げられました。
枠が広がるのに、建て替え案もなく建物はそのまま。
一人あたり1.65㎡の専有面積基準が設けられ、施設によってギュウギュウに入れるようになってしまいました。
で、入り切らないときは小学校の空き教室を借りる別館運営をしなければいけない状況です。
動くことを想定してない基準で、このまま受け入れていくと座敷牢状態です。
「子は宝」っていうけど、子どもの扱いや、支える人の待遇など、とても言葉通りのものではありません。
人手も足りなきゃスペースもない。
離職率の高さは育成するベースが崩れていっている証拠です。
男性職員の必要性って。
男性職員がいると子どもも思い切り遊ぶことができる。
まあ、そのとおりだと思います。
体育会系の女性保育士さんとお会いしたことがありません。
やっぱり優しい穏やかな方が多いです。
私は鬼ごっこが好きで子どもたちとするんですが、これも最近は怪我したらどうするの?というクレームを恐れてか、「やるのはいいけど、ちゃんと見ててよね」と、所長からお達しをいただくようになりました。
その一方で「今後もし暴れるような高学年が来ても、コトリ君がいれば大丈夫よね」なんていうことも言われます。
求められているのが男性というだけで、職員の良さとか質じゃないんですよね。
最後に。
保育業界の衰退に話が及んでしまったかもしれません。
「子どもが好きだから」だけでは食ってけないのが私の本音です。
その本音を言えば、「なに言ってるの?」と釣り上げられるでしょう。
男性保育士がいたずらをしたり、通学路の見守り隊が事件を起こしたりと、ますます保育業界での男性の肩身は狭くなっています。
それでいてトラブルが起きたときはいたほうがいいだなんて。
男性保育士専門の派遣業でも起こしたら需要があるかも。
コトリの嘆きでした。