北朝鮮の核問題や、各地で起きるテロなどがニュースを盛り上げています。
なので真面目に戦争についてクラウゼヴィッツの『戦争論』から考えてみました。
あくまで『戦争論』から私なりに考えたことなので、目くじらを立てないで頂きたいです。

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終戦記念日を迎えて。
終戦記念日のニュースで高校生がインタビュー受けいていた。
「話し合いで戦争をなくし、平和な世界を作って欲しい。」
本当にそれは可能なのか?
たぶん彼はそもそも戦争はどうして起こるのか知らないんだろう。
かくいう私も彼らほど自信をを持って知っているとはいえないが、一応顛末は私なりに学んだつもりでいる。
日本は核を落とされた国という自己意識があるが、アメリカからは真珠湾攻撃をした国と認識されている。
核を落とされなければ本当に一億総特攻をしていたと思えるほど、情報は大本営によって都合よく伝えられ、国民も「お国のために」という雰囲気に毒されていた。
クラウゼヴィッツの『戦争論』。
クラウゼヴィッツは『戦争論』で「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」と述べている。
戦争は政治的交渉の一手段であり、政治に従属しているのだ。
敵を全滅させる「絶対的戦争」と、言うことを聞かせるための妥協点を求める「現実の戦争」。
敵を全滅した後の焦土を占拠しても国は疲弊するだけ。
現実的には講話樹立を目指すのが戦争だと受け止めた。
インタビューを聞いて覚えた違和感は、戦争は悲惨というイメージだけで答えている点にある。
話し合いで解決できないから戦争は起きるのだ。
身近な例で戦争を考えてみた。
きのこたけのこ戦争は置いておいて、身近なところでの戦争といえばエアコンの温度設定争いが戦争を語るのにちょうどよいと思いついた。
一つのフロアに暑がり派と冷え性派が存在する。
暑がり派はエアコン温度を低く設定する。
一方冷え性派は負けじと高く設定する。ちょうどいい設定というものは人によって違う。
28度が適温というお達し(他国からの妥協呼びかけとする)も、それぞれには受け入れがたい。
暑いもんは暑いし、寒いもんは寒いからである。
さらにそれぞれの派閥の中でも外回り組、内勤組のように体質だけではない、体の求めが出てくる。
果たして話し合いで平和なエアコン温度設定ができるだろうか?
そもそもそんなことを話し合うだろうか?
それぞれ我慢すればいいといっても、暑がりは流れる汗をふき、寒がりは長袖を着て過ごすことにいつまで耐えられないだろう。
はじめは断りを入れて温度調整しても、頻繁に事が起きるにつれ「なんでこの温度なの?」と争いが表面化する。
解決法があるか?
フロアで暑がり派と寒がり派を分ければいいといっても、仕事分担の上で現実的ではない。
国同士で話し合えばいいと言っても、国は人の集まりである。
その中身である人がエアコン温度設定を平和に解決できないでいるのが現実だ。
どうするか。まとめ。
「話し合いで戦争をなくし、平和な世界を作って欲しい」のは真実だ。
ただそれぞれが話し合いに応じるタイミングがある。
いきなり世界平和への願望を口にするより、本当に身近な問題から考える癖をつけ、どうしたらお互い納得できるかを知らないと本当の平和は訪れないだろう。
北朝鮮とアメリカのやりとりは現実的には戦争が起こる寸前のところまで来ている。
戦争は過去のものではないし、他人事ではない。
道徳とかじゃなく、歴史で年号を覚えるでもなく、戦争が起きた時代背景、経済情報など様々な点を学び、次に活かすようにするべきと考える。
クラウゼヴィッツの『戦争論』も時代によって解釈が変わり、戦略や戦術について書かれたことが重く伝えられた。
でも戦争の本質は「政治的交渉の一手段であり、政治に従属している」と重ねて言いたい。

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